子犬のワクチン Part1
2016/06/28
ワクチンについて少しだけためになる話
混合ワクチンと言う言葉を聞いたことがありますか?
これから子犬を家族としてお迎えするなら、ちょっとだけ知っておきたいことです。
ワクチンの疑問?
|
これらを知った上で、そして大切なパートナーを守ってあげてください。
ワクチンはいつ接種したらいいの?
子犬は、母親の母乳を飲んでいるうちは移行抗体によって守られています。
この抗体はあらゆる病気に対して免疫物質を多く含んでいます。
たまに母乳を飲む力のない、弱い子が生まれる場合もありますが、その場合は免疫力が弱いために死に至ることが多いものです。
しかし、生後3週間~4週間ほどしますと母乳から離乳食に変わり、移行抗体も42日から50日で消滅してしまうのです。
そのために移行抗体が切れた頃にワクチンを接種する訳です。
その切れるタイミングがはっきりしているなら、前述のバラバラもなくなるでしょうが個体差があることがこのバラツキの原因になっているのです。
ワクチンが効いているかどうか調べるには、血液検査をし高いお金と時間を掛ければ可能ですが
これよりもワクチンを打った方が早く安く済むわけです。
検査結果を待つ間に発症したら意味がありません。
それでは、42日目に打てば良いのか そんなことはありません。
ワクチンスケジュール表 | |
1回目に接種時期 | 42日目から50日頃に1回目 |
2回目に接種時期 | 1回目に接種後、3週間~1ヵ月 |
3回目に接種時期 | 2回目に接種後、3週間~1ヶ月 |
移行抗体が残っている内は、ワクチン接種してもバウンドし抗体が作れないからです。
従ってダメ元で、42日目から50日頃に1回目を接種、それから3週間~1ヵ月後に2回目を接種、
さらにそれでも移行抗体が残っている場合もあるため、また3週間~1ヶ月おいて 3回目を接種となります。
移行抗体の切れるタイミングが判れば1回で済むのですがね。
恐いのは、 42日目に打っても効いていなくて(効いているか否かが判らない) 2回目に打つ間に感染する場合です。それは1回目を50日で打っても60日で打っても同じことです。 従って一般的には2ヶ月目と3ヶ月目の2回打つケース が多い訳です。 |
現在、ほとんどの獣医さんは、3回目を接種するように勧めます。
ワクチンを打たないと伝染病になっちゃの?
色々な本を読んでも、ペットショップやブリーダーに聞いても、そして獣医に聞いても見事にバラバラな答えが返ってくるのがこの問いです。
それはなぜか?
答えは「万が一に備えたもの」と言った方が正解かも知れません。感染症は100%外部要因によるものだからです。
感染源であるウィルスと接触しない限りは、発症することはあり得ないのです。
例えば最も恐いとされているパルボウィルスは、感染した犬の糞、嘔吐物、それに接触した人の手足などから経口感染するものです。
しかし、発症するまでに潜伏期間(おおよそ1週間~2週間)がありますから、気付いた時にはすでに
手遅れで全滅したりする訳です。
今までにこんなペットショップ、ブリーダーをたくさんみてきました。
ウィルスをどこで拾ってしまうか誰にも予測できませんね。
ワクチンによる抗体は1年で 切れてしまいますから1年後にまた接種しなければなりませんが、
その接種をしていないために感染している犬との接触だって色々な場面で考えられます。
お散歩の時に接触したり、ドッグランで遊ばせている間に起りうることなのです。
従ってお互いに予防措置を施すことが義務付けられている訳です。
こんな場面を考えると、「万一に備える」と言う表現は適切でないことがお判りいただけるでしょう。
ワクチンにはどんな種類があるの? どんな伝染病に効くの?
ワクチンには「生ワクチン」と「不活化ワクチン」 の2種類があります。 生ワクチンは 読んで字のごとく、生きているウイルスです。 弱毒株と言われる弱いウイルスなのですが、接種後体内で増殖し、病気に感染した状態になります。 この過程で抗体ができるので非常に強力な免疫力がつきます。 一方、不活化ワクチンは、殺したウイルスを材料にしているので接種後の増殖はありません。 このため、生ワクチンに比べると免疫力が弱く、持続力も劣ります。混合生ワクチンで抑えられる(予防出来る)伝染病がほとんどです。予防出来る病気の中には、人にも感染することがある 「人畜共通感染症」 もありますので、要注意です。 |
混合の種類は多ければ多いほど良い訳ではありません。
このため、生ワクチンに比べると免疫力が弱く、持続力も劣ります。
混合生ワクチンで抑えられる(予防出来る)伝染病がほとんどです。
予防出来る病気の中には、人にも感染することがある 「人畜共通感染症」 もありますので、要注意です。
混合の種類は多ければ多いほど良い訳ではありません。
いわば、毒を注入するのですから、それなりのリスクがあることは理解しなければなりません。
一時的に弱ったり、アレルギー反応を起こしたりする子もいます。
何種混合が良いのかは、信頼できる獣医師によく相談した上で、決めると良いでしょう。